結婚している相手との内縁関係にある重婚的な状態の注意点とは
【重婚的内縁】
あまりなじみのない言葉であるが、不貞が長期化して、日常化したことを指すと思っていただければよいと思う。
夫が妻の元を去り、愛人と暮らし始めた場合がこれにあたります。(もちろん逆の場合もありえます)
夫と愛人は共同生活をしているので、内縁関係といえるのですが、夫は本妻と正式に離婚をしていないので、重婚ということになってしまう。
※ 以前は、「重婚的内縁=公序良俗に反するもの」とし、裁判では一切の法的な認知はなされなかった。
しかし、この考えに基づく、愛人という立場ではあるものの、妻のいる男性と 共同で生活し財産を築いた場合、その男性がある日突然、本妻の元へ帰ってしまった場合などに、愛人側に一切の金銭的請求が認められない事になる。
愛人関係は論理に反するので法的保護は認めないという考えは、一見倫理的な考えに見えますが男性側にのみ都合の良い結果となる恐れがあった。
そういった考えから、近年では裁判所でも、重婚的内縁関係にあっても、内縁関係と同等の保護を与えられるという考えになってきている。
だからといって重婚的内縁関係が倫理的に問題あることには変わりない。
【夫婦財産契約】
夫婦財産契約とは
結婚前からある個人の財産や結婚後に得たそれぞれの財産を、個人管理にするのか、または夫婦どちらかが一括して管理するのか、夫婦共同で管理するのかをあらかじめ決めておいた方が良い。
婚姻届前にしなければ効力がなく(民法755条)、婚姻の届出までに契約を登記(非訟事件手続法118条~)しなければ、夫婦の承継人(相続人を含む)及び第三者に対抗できない(民法756条)
夫婦財産契約は、海外では一般的ですが、日本ではあまり知られておらず、ほとんどの夫婦が締結しない。
しかし、日本でも、現代は、結婚しても働き続ける女性が多くなってきている。
結婚後、自分で築いた財産をどのように管理するか決めておくことが、今後、一般的になってくるかもしれない。
結婚当初から離婚を想定している方はいないと思うが、離婚に伴う財産分与の問題も、この契約があれば、スムーズになるかもしれない。
~まとめ~
★婚姻届前にしなければ効力がない
★第三者に対抗するため登記が必要
★原則、内容の変更はできない
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